最初、法テラスへ相談に行った数か月後には、かなりの高給で就職が決まり、自己破産の危機を脱出しました。

ところが、その一年半後、諸事情により会社を退職するハメになり、
また、収入がなくなり、債務整理を考えざるを得ない状況になりました。

法テラスへは同じ案件で3回まで無料相談できるとのことでしたので、
また、法テラスのサポートセンターへ電話して予約を取りました。

前回と同様、やはり結構混んでおり、結局、予約が取れたのは、10日以上先でした。

前回は、全く予備知識なしで相談に行きましたが、いきなり自己破産を勧められ、十分な質問もできなかった感があったので、今回は債権者一覧表以外に、質問リストも作成し、打ち合わせに臨みました。

以下が、報告内容、および、質問と弁護士からの回答です。

弁護士への報告内容

私:「借金の状況は借金一覧表の通りです。

2ケ月前に失業してから、現在、収入のメドが立っていません。
現在の状況では、支払の見込が立たないため、自己破産手続きを進めたいと思っています。

  • 失業手当は11月から毎月20万円ほど約半年間支給の見込。
  • 就職活動を進めているが、全く未定。3社応募。2社NG。1社回答待ち。

といった状況です」

弁護士への相談事項

私:「毎日、複数の業者から電話がかかってきます。
法テラスで弁護士の先生に相談することも話していませんでした。
今後は、どのように対応すべきでしょうか?」

弁護士:「今後の進め方次第によります、まずは、対応策を相談しましょう」

私:「市民税に関しては、10月末で19万円。1月末で19万円の振込用紙が届いています。
これは、必ず支払う必要があるのですか?
分割での支払を依頼した場合、どの度の分割なら許容してもらえそうか分かりますか?」

弁護士:「税金は優先して支払う必要があります。
分割に関しては、市役所の納税課と相談してください」

私:「住宅に関しては、これまで不動産会社に任意売却の依頼をしていました。
9月中旬に広告が掲載されましたが、まだ、実際に家を見に来た方は一組だけです。
こちらは、どのように対応すべきでしょうか?
破産手続き開始・免責許可の申し立てをするまでに売却できる見込みはかなり薄いと思っています」

弁護士:「住宅があれば、破産管財事件となりますので、手続きが複雑になるので、厄介ですね」

私:「電気・ガス・電話などは、まだクレジット払いのままです。即刻、その他の支払方法へ変更すべきでしょうか?」

弁護士:「いきなりストップとなることもありませんが、
できるだけ早い時期に口座引き落とし等の方法に変更してください」

 

私:「破産開始手続き開始~免責許可決定まで、およそ、どの程度の期間が必要でしょうか?」

弁護士:「うーん。管財人が立つかどうかでも、期間が変わってきますので、一概には言えませんね」

 

私:「破産開始手続き開始~免責許可決定までの間に、
十分な収入が入る予定となった場合は、どのようになるのでしょうか?
例えば、12月に就職が決定し、2月初旬から出社。
2月末からは毎月手取りで50万円の収入が見込めるといった場合です。

この場合、一括返済は無理ですが、分割で、かなりの返済が可能となります。
ただし、一年半前も同じような状況に陥りました。
多少なりとも繰上返済もしたかったのです、毎月の支払を返済するだけで、精いっぱいの状況でした。

あるいは、その時点で、アルバイトをしており、15万円の月収だった場合は、どうなるのでしょうか?」

弁護士:「50万円も収入があったら困りますね。
そうなると自己破産できるかどうか分かりません。
それに、そもそも、そんなに収入がある人が法テラスの制度を使えるのかもよく分かりません。
自己破産の免責が出るまで就職しないでください

 

私:「支払が溜まっているのですが、何から優先して支払うべきでしょうか?」

  • 市民税、水道・ガス代、固定資産税が12月25日に支払期限、健康保険は現在入っていません。知人で生命保険を解約した途端にガンになったという話をよく聞くので、可能であれば、民間の生命保険12000円は継続したいのですが。
  • その他の注意点があれば、お教え頂きたい。

弁護士:「税金、健康保険から優先して支払ってください。税金は自己破産したとしても免除になりません

 

私:「生命保険は、解約返戻金が出るのかどうか分かりませんが、いくらかは出るかもしれません。
それに、多少、個人年金にも入っています。
現在、手持ち現金が底をつきそうなので、解約したほうがいいのですか?
自己破産すると、これらも没収ですか?」

弁護士:「保険や年金も没収になります。
それよりも、返戻金はいくら位になりそうですか?
困りましたね。そうなると、また、手続きがややこしくなります。
また、金額によっては、法テラスのサポートが受けられないのじゃないかな」

 

私:「破産手続きの後、ローンが溜まっている住宅はどうなるのでしょうか?
三菱東京UFJ銀行が第一抵当者で、現在は、ローン保証会社に債権が移っている状態です」

  • およそ、いつまで住めるのでしょうか?
  •  実家に戻る予定ですが、廃棄が必要な家具やガラクタが相当あります。こういったものの処分費用は家を退去する前に自分で処分する必要があるのでしょうか?
  • あるいは、立ち退きの際に、荷物は置いたままで、身体ひとつで出ていけばいいのでしょうか?債権者と相談ですか?
  • 住宅が競売となれば、破産管財人は立たないのでしょうか?信用保証会社からは元々任意売却の話をした時に年内に売却のメドが立たなければ、競売と言われています。

弁護士:「うーん。状況によります。
現在は、不動産会社が間に入って、住宅ローンの保証会社と話をしているのですよね。
じゃあ、不動産会社に聞いてください」

 

私:「ヤフオクやメルカリで売れるものがいろいろあります。
高額商品はありませんが、数千円~1万円前後で売れそうなものは、いくつもあります。
恐らく売れば、合計で10万円程度の金額にはなると思います。これらは、販売してもいいのでしょうか?」

弁護士:「ややこしくなるので売らないでください」

 

結局、税金の支払いはどうなるかといった基本的な質問には答えてくれるのですが、

「破産の申し立てをした後に、就職が決まり、
 十分な収入が見込めるようになった場合はどうなるのか?自己破産できるのか?」

「任意売却もできずに競売となった場合は、どの程度の期間住めるのか?」

「法テラスで援助を受けられないということは、収入や資産の基準があるということか?」

といった複雑な質問になると、全く答えて頂けませんでした。

弁護士との打ち合わせ後の感想

債務整理と言えば、弁護士の取り扱う事件のなかでもよくある事件だと思うのですが、
こちらの質問に的確に答えられない弁護士がいたのには驚きました。

最後に、

「現在の状況で自己破産することはできますでしょうか?
また、その場合、先生にご担当して頂けますか?」

と聞いたところ、

「現時点で収入がないから、自己破産はできるでしょう。
ただ、まだ、住宅や保険などもありますから破産管財事件となり、手続きはややこしくなります。
私が受けてもいいのですが、今は、別件で忙しいので、他の弁護士を探してください

と断られてしまいました。

確かに、こちらの質問に的確に答えられない弁護士に正式依頼するのも危険なのですが、
断るくらいなら、最初から相談に乗らないで欲しいと思いました。

こちらが、本当に知りたかった情報は得られなかったのですが、
無料相談には違いないので、法テラスの相談枠3回のうち、2回目を使ってしまったことになってしまいました。

やはり弁護士といえども、どんな事件にでも答えられるのではなく、やはり得意・不得意とする分野があるようです。
自己破産や債務整理を相談する場合は、その分野に経験の深い弁護士事務所に相談しましょう。

不明点に対する回答

結局、2回目の相談でも、あまり自分の不明点が解消できませんでしたので、
後日、インターネットで調べたり、他の弁護士に相談し、不明点を解消しました。

法テラスを利用できる要件(収入上限など)

無料相談の場合

無料相談、および、正式に法テラスを通じて弁護士に依頼する場合(民事法律扶助)のどちらにも利用要件があります。

世帯人数や手取り収入、地域によって変わってきますが、無料相談で世帯人数が二人の場合は以下の通りです。

申込者と配偶者の手取り収入251,000円以下(大都市の場合は271,000円以下)
家賃や住宅ローンがある場合に加算できる金額41,000円(大都市の場合は53,000円以下)

民事法律扶助業務の場合

民事法律扶助業務とは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、
無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、
弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です。

この場合にも、上記の収入の基準を満たす必要があり、さらに、財産に関しても規定があります。

例えば、
世帯人数が1人の場合は、現金と預貯金の合計額が180万円以下の場合です。

世帯人数ごとの詳細はコチラを確認ください ⇒ 法テラスを使うメリット・デメリット

つまり、一定以上の収入がある方の場合、そもそも法テラスの無料相談も受けることができません。

ただ、財産に関しては、債務整理を考えているくらいなのですから、通常は、少しずつ減って行きます。

あるいは、税金の分割払いをしているのであれば、一括払いで払い終え、
現金と預貯金の合計が基準額を下回れば、民事法律扶助を受けることができます。

自己破産の免責許可が下りるまで就職してはいけない???

今回の弁護士からの回答で一番驚いたのがこれです。
ただ、弁護士が言うのだから、そういうものかと思ったのですが、常識的に考えてもおかしいです。

他の弁護士に確認したところ、破産手続き開始後に獲得した財産は、新得財産ということで、破産者が自由に処分できるということです。

したがって、就職してはいけないということではありません。

ただし、破産手続き開始前に得た給与に関しては、その他の財産と合わせて99万円以上になるのであれば、99万円を超える部分については、没収になるとのことです。

ヤフオクやメルカリで財産を処分してもいいか?

財産隠しと判断されるような処理は好ましくありません。

ただし、売買の明細が分かるようにしておけば問題はないとのことです。
ただ、あまり金額が大きいようであれば、
法テラスの利用要件に触れて法テラスを利用できない可能性もあります。

保険は解約したほうがいい?

今すぐに、解約する必要はありませんが、
自己破産となると没収となりますので、生命保険を継続することはできません。

特に、生命保険の解約の場合、数百万円のお金が戻ってくる人もいるでしょうから、
事前に解約返戻金の金額も確かめ、そのうえで弁護士に相談したほうが望ましいでしょう。

金額によっては、法テラスも利用できないかもしれませんし、
自己破産以外の方法もあるかもしれません。

競売決定から、家を退去するまでにどの程度の期間がある。

保証会社からの情報では、およそ半年程度かかるとのことでした。
この間、元の家に住み続けられるし、
また、その間に任意売却が成立すれば、任意売却で販売が可能とのことでした。