債務整理とは合法的に借金を減額する方法です。
ただ、どの弁護士に頼んでも同じ結果が出るのではなく、
場合によっては数百万円~数千万円も借金の減額費用が異なる場合があるのです。
この記事は、どうすれば、あなたにとって適切な弁護士が選べるかを書いています。
弁護士を選ぶ方法
ほとんどの人がこれまで弁護士と話したことはないでしょう。
ひと口に弁護士を選ぶと言っても、どうやればいいのか分からない方が多いでしょう。
いくつかの方法がありますが、それぞれのメリット・デメリットを以下に記します。
知り合いに依頼する方法
学生時代の友人で弁護士になっている人や先輩・後輩を通してその知り合いに依頼する方法があります。
メリット
- 安心感がある
- 費用面についても相談できる(友人の場合)
学生時代からよく知っている友人に頼めば、まず、安心できることは間違いありません。
また、債務整理するくらいですから、弁護士費用についても心配でしょうが、これも友人であれば、
分割払いなど無理のない支払方法を相談できるでしょう。
ただ、メリットばかりではありません。
デメリット
- 債務整理に強い弁護士であるかどうか分からない
- 一旦、相談すると断りにくい
- 債務整理の問題を知人に知られてしまう
友人、もしくは、知り合いから紹介してもらい、
その弁護士が債務整理に強い弁護士だった場合はいいのですが、そうでない場合もあります。
また、この場合には、仲のいい友人ほど断りにくくなります。
役所の市民相談会
メリット
- 役所が主導しているという安心感がある
- 無料で相談できる
デメリット
- 債務整理に強い弁護士であるかどうか分からない
- 相談可能な日時が決まっている
市役所などの役所が主導して法律相談会を実施している場合があります。
弁護士事務所を訪問するのが億劫であれば、まずは、こういった市民相談会を利用している方法もあります。
この場合も債務整理に強い弁護士が担当してくれるかどうか全く分かりません。
しかし、この場合は、相性が悪いと判断すれば、気軽に断れます。
法テラス
メリット
- 国が主導している実施している安心感がある
- 無料で相談できる(同一案件で3回まで)
- 一般の弁護士事務所よりも安い
- 手数料・無料で分割払いが可能
デメリット
- 債務整理に強い弁護士であるかどうか分からない
- 経験の浅い弁護士も多い
法テラスを利用する場合、一般の弁護士事務所に依頼するよりも、費用が半額レベルになるのは大きなメリットです。
ただ、経験の浅い弁護士も多く、法テラスからの紹介を待っているだけでは、
自分の理想とするような弁護士に担当してもらえるとは限りません。
自分で探す
メリット
- ホームページなどで法律事務所の詳細を事前に調べられる
- 法テラスなどの場合と異なり、こちらから「いい」と思った弁護士を選べる
デメリット
- 探す手間がかかる
- 債務整理に関する知識が全くなければ「いい」か「悪い」かの判断ができない。
- 法テラスに比べ、料金は高くなる傾向にある。
それぞれにメリット・デメリットはあるのですが、
このサイトで推薦する方法は、自分で探すという方法です。
もちろん、自分で探すとなれば、探す手間や時間もかかります。
また、基礎的な法律の知識は勉強して身につける必要があります。
しかし、自分で納得して選んだ弁護士なら、その後の結果にも納得ができるでしょう。
知人や法テラスからの紹介を受けた弁護士をそのまま受け入れ、
満足のいく結果が出なかった場合、後悔が残るかもしれません。
弁護士選びの体験談
私の体験で言えば、以下のような弁護士がいました。
自己破産を性急に勧める弁護士
借金総額と失業中であることを説明すると、すぐに、自己破産を勧め、
自己破産手続きを進める契約書にサインするように求められました。
恐らく、その弁護士は、過去の経験、および、私の債務総額と収支状況から判断して自己破産を勧めたのでしょう。
ただ、法テラスから紹介されて、単なる相談のつもりで、
そして、自己破産を回避できる方法はないかと思って訪問したので、
私はその対応に驚いてしまいました。
ただ、その後、すぐには就職先も見つからず、他社から借入を増やす事態になってしまいました。
そして、その半年後、就職が決まり、ローンを返済できるようになりましたが、
また、それから一年半後にリストラされ、債務整理を検討するようになりました。
弁護士に性急にサインを迫られたため、逆に、自己破産は選択しませんでしたが、
あの時に自己破産するという選択肢も合ったのかもしれません。
質問に的確に答えられない弁護士
再度、債務整理を考えた時に、再び法テラスに行き、弁護士と打ち合わせを行いました。
この時は、相談ではなく、
本当に手持ち現金もなく、失業手当もいつ支払われるか分からなかったので、
自己破産を念頭において相談に行きました。
しかし、その担当となった弁護士は、
債務整理に関する経験が浅いようで、こちらからの質問に的確に答えられなかったのです。
例えば、
「自己破産の手続き中に就職が決まり、借金を毎月返済できる見込みができた場合はどうなりますか?」
「手続きがややこしくなるため、自己破産するまで就職しないでください。また、一定以上の収入があれば、法テラスを利用できません。だから、就職しないでください」
「手持ちの現金が残り少なくなってきたため、身の回りのもので売れそうなものはヤフオクやメルカリで売りたいと思っているのですが、OKですか?」
「現金が20万円以上あると管財事件となり、ややこしいので売らないでください」
「できれば、生命保険は解約したくないのですが、継続できる方法はありますか?」
「生命保険まであるのですか?手続きがややこしくなりますね」
そして、最終的には、
「収入がないので、自己破産できるでしょうが、私は今忙しいので、他の弁護士に依頼してください。ついては、法テラスと相談してください」
と法テラスの事務所内で相談しているにも関わらず、法テラスのスタッフと相談してくださいと言われてしまいました。
こちらの状況に応じたアドバイスをする弁護士
法テラスから紹介された弁護士に断られ、困っていたところ、知り合いから弁護士を紹介されました。
この弁護士は、これまでとは違い、今は自己破産すべきではないとアドバイスされました。
「まず、住宅があり、生命保険の解約返戻金も100万円以上、そして、失業手当も出るのであれば、現時点で自己破産する必要性がない」
「まず、自己破産といっても20万円以上の資産があるため、管財事件となり、費用がかさむ。
それに、自己破産しても、現時点ではその後の生活設計ができていない。」
「まず、住宅を任意売却すれば、その分債務が減る。
また、仮に任意売却が成功せずに競売となったとしても、
これから半年以上、現在の自宅に住み続けることができる。」
「その半年間の間に生活を立て直し、それから適切な債務整理を考えればいかがですか?」
「もし、仮に、その半年間でも収入が得られなかった場合は自己破産となりますが、
この場合は、恐らくもう資産が20万円も残っていないという事態になるでしょうから、
管財事件にならず、費用も安くなる。」
「とにかく、今、一番大切なことは仕事を見つけ、生活を立て直すことです」
このように、状況が同じであっても、弁護士によって、大きく対応が異なる場合があります。
もちろん、債権者からの取り立てのストレスが大きく、すぐにでも自己破産したい人にとっては、
アドバイスよりも淡々と自己破産手続きを進めてくれる弁護士のほうが、ありがたいのかもしれません。
弁護士によって、アドバイスの内容が大きく変わる場合もあるということを念頭において、弁護士選びを進めましょう。
いい弁護士の条件
自分が納得できる弁護士を選ぶため、
まずは、一般的に言われる“いい弁護士”の条件を記します。
こちらの質問に的確に答えてくれる。
弁護士といえどもやはり得意分野があります。
離婚問題が得意な弁護士、刑事事件が得意な弁護士、債務整理が得意な弁護士、交通事故が得意な弁護士など。
一番、最初に弁護士に相談する場合、
「弁護士ならば法律に関係する問題はなんでも知っている」
だろうと思いがちですが、そんなことはありません。
場合によっては、債務整理は、これまでほとんど取り扱ったことがない弁護士に担当される可能性もあるのです。
そして、こちらも債務整理に関する知識が全くなければ、その弁護士が債務整理に強いのかどうかも判断できません。
まずは、債務整理に関して、一通りの知識を身につけ、
準備を整えたうえで、弁護士に相談するようにしましょう。
そうすれば、その弁護士が債務整理に関して十分な知識を持っているかが判断できます。
*弁護士に会う前の準備事項については、こちらの記事を参考にしてください。
⇒ 債務整理で弁護士に相談する前に事前準備すべき7つの大切なこと
債務整理についての実績が豊富である。
上と重複しますが、ホームページがあるならば、
- 債務整理に関してのQ&Aが豊富に掲載されているか
- お客様の声があるか
- 債務整理に関する情報を発信しているか
も確認しましょう。
ただ、ひとくちに債務整理といっても過払い金請求を専門にしている業者などもいますので、
ホームページをしっかり読んで内容を確認しましょう。
そうでなければ、相談に行ったけれども、その事務所では取り扱えないと言われるケースもあるからです。
料金体系が明確
一般弁護士事務所に債務整理を依頼する場合はやはり30万円以上が必要となります。
正式に依頼する場合は、見積書を出してもらい、後でトラブルが発生しないようにしましょう。
また、事務所によっては着手金を少なくして、成功報酬制を取っている場合もあります。
例えば、
「債務の額が1,000万円から200万円に800万円減額できれば、
そのうちの10%、80万円を報酬とする」
といったような場合です。
依頼者側から見れば、
弁護士報酬は少ないにこしたことはありませんが、
報酬以上の価値があるならば、高い金額ではありません。
上の例で言えば、
債務が800万円減額となる代わりに、80万円の費用を支払うこととなります。
支払総額で言えば、720万円の減額です。
仮に、
500万円減額ならば、成功報酬10%で50万円の支払いです。
成功報酬と聞くと、高いイメージがありますが、合理的な料金体系とも言えます。
弁護士の選び方
複数の弁護士に相談するメリット
最初に相談した弁護士が一番いい弁護士という保証はありません。
債務整理を専門にしている複数の弁護士事務所に相談することをお勧めします。
複数の弁護士に相談し、自分の疑問点を確認することで、
- どの弁護士と相性がいいか?
- どの弁護士が最も高い専門知識や経験を身につけているか?
を判断できます。
弁護士との契約までの流れ
契約までの流れは、以下の方法がオススメです。
1.債務整理に関する基礎的な知識を身につけ、疑問点を箇条書きにする。
2.インターネット、もしくは、知人を通じて弁護士を探す
親しすぎる友人を通じて依頼した場合、
債務整理に詳しくない弁護士を紹介されても断りずらいので注意が必要です
3.電話やメールで問い合わせ
4.無料相談のアポ
ほとんどの弁護士事務所では、初回相談は無料です。
その後は、30分間5,000円の相談料が一般的です。
5.無料相談を受けて、特に、以下のポイントを確かめる
- こちらの質問に的確に答えてもらえるか?
- こちらの状況判断をしたうえで、的確なアドバイスをしてもらえるか?
- 自分と相性がいいか?
6.弁護士費用(見積書)を文書で確認
一括払いが困難なときは分割払いに対応してもらえるかを確認
7.契約書締結
併せておよそのスケジュールも文書で確認
まずは、ひとつ、債務整理に強い弁護士事務所との無料相談から始めましょう